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皮膚科では、皮膚疾患で悩む患者さんがより受診しやすくご満足いただける診療が行えるように心がけております。主な疾患に関してはページ下方をご参照下さい。
午前に外来診療、午後に病棟の往診、パッチテストや皮膚生検を予約にて行っています。
皮膚科外来では、番号札制を導入しております。
待合室で待機せずに他科受診をしたり、近隣の方は一時自宅に戻ったり、車椅子やご高齢の患者さんの為にご家の方が順番を取り、
後で患者さんご本人といらっしゃるなど、待ち時間を有効に利用いただけます。(長く離れる場合、受付にお伝え下さい)
土日は平日に比べて混雑しますので平日の受診をお勧めいたします。
病院の休診日以外に金曜日が休診となっており、不定期で休診もある場合がありますのでご確認下さい。
病棟の往診では主として褥瘡の臨床写真を撮影しております。 スタッフ間で画像情報を共有することが可能になり、症状の変化にいち早く気付き、皮膚科への連絡が今まで以上に迅速になりました。 撮影した臨床写真を電子カルテへの取り込みが可能となりました。 皮膚科診療においてデジタルカメラ撮影は皮膚症状を克明に記録できる手段として有用です。 臨床写真は経時的変化が一目瞭然に把握でき比較検討できるため、治療方針を決定するにあたり大いに役立ちます。
皮膚科の2013年の年間診療総数は13,620人、月平均1,135人でした。
疾患群別は多い順に
①湿疹、
②ウイルス性疾患・急性伝染性疾患、
③蕁麻疹・痒疹・皮膚瘙痒症、
④真菌症、
⑤細菌性疾患、
となっております。
かぶれ(接触性皮膚炎)
最も多い疾患がかぶれです。化粧品によるもの、毛染めによるもの、金属によるものなどが挙げられます。原因と考えられる接触源に触れないこと、絶つことがまず必要なことです。治療には抗アレルギー剤(内服薬)とステロイド剤(外用剤)を用います。ネックレス、ピアス、指輪など特に金属に起因するものと考えられるものでは、原因検索として金属パッチテストを実施しています。
皮脂欠乏性湿疹
冬に特に多くみられます。冬は皮脂分泌が低下し湿度も低下して皮膚が乾燥しやすくなります。かゆみによって皮膚を強く引っ掻き、二次的に湿疹病変を形成することが多いです。特に高齢者の腰、臀部、下腿にみられ、貨幣状湿疹を伴って受診される方が多いです。入浴時のナイロンタオルの使用、垢すりも皮膚の乾燥をもたらすため、中止してもらいます。治療には保湿剤、ステロイド剤の外用剤のほか、かゆみが強いときには抗アレルギー剤を用います。
アトピー性皮膚炎
かゆみを伴った慢性の皮膚炎で、皮膚の乾燥とバリアー機能異常を基盤に刺激やアレルギー反応が加わって発症します。アトピー性皮膚炎はアトピー素因(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎、またはIgE抗体を産生しやすい素因)を本人、または家族が有している場合には発症しやすいと考えられます。当院では初診時に血液検査(好酸球、IgEなど)を行います。治療は内服薬で抗アレルギー剤、症状に合わせたランクのステロイド剤、保湿剤などの各種外用剤を用います。残念ながら、現時点で病気そのものを治す薬物療法はありません。治療の目標は症状があっても軽く、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態、すなわち保湿剤のみでもコントロールが可能となる状態を目指しています。
イボ(尋常性疣贅)
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によって生じます。ウイルスが関与しているため、自分で削ったり、いじったりすることでウイルスを増殖させ症状を悪化させてしまいます。当院での治療はおよそ2週間に一度の頻度で患部に液体窒素を綿球に含ませて圧抵する冷凍凝固療法を行っています。また、症状によっては漢方薬のヨクイニン(ハトムギのエキス)の服用を併用することがあります。
ミズイボ(伝染性軟属腫)
ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスの感染によって発症します。ミズイボはプール遊びやビート板などを介して感染します。ミズイボは通常2~5mm程度の光沢を有する円形の盛り上がり(丘疹)で、個人差はありますが放置すると数が増えることがあります。当院でもミズイボで来院される患者さんのほとんどが小学校低学年ぐらいまでです。以降免疫を獲得しミズイボにかかりにくくなります。大人ではほとんどみられませんが、HIV感染などで免疫が低下すると稀にみられることがあります。ミズイボはピンセットを用いて摘むと白い塊がでてきます。当院では「ミズイボとり」と呼ばれるこの一般的な治療法を行っています。ミズイボの治療に関しては専門家の間でも意見が分かれます。ミズイボが自然治癒を期待できることから、塗り薬や放置してよいという考えの先生もいらっしゃいます。しかし、実際には様子をみているうちに数が増えて、結局、摘除を希望して受診される方を散見します。ミズイボを引っ掻きとびひ(伝染性膿痂疹)を惹起させてしまう例さえ稀にあります。このようなことから個人的には数が少ないうちに摘除したほうがよいと考えます。
単純性疱疹
単純ヘルペスウイルスの感染で皮膚や粘膜に小水疱やびらん(ただれ)を生じる病気です。単純ヘルペスウイルスはHSV-1とHSV-2の2つのタイプに分類されます。初感染後に神経節内に潜伏し、HSV-1は顔面(特に口唇)、HSV-2は下半身(特に性器)に再発を繰り返します。このうち、当院では口唇ヘルペスが多くみられます。治療は、再発で軽症の場合には抗ウイルス剤の外用で、初感染や中等症以上では抗ウイルス剤の内服を考慮します。
帯状疱疹
子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルス(水痘-帯状疱疹ウイルス)によって発症する病気です。水ぼうそうにかかった後に後根神経節内に潜伏します。免疫が低下するとウイルスが再活性化し、所属神経領域に、神経痛が出現し赤い丘疹や水泡ができます。神経痛は発疹が軽快してからも帯状疱疹後神経痛として残ってしまうことがあります。治療は抗ウイルス剤の内服を基本とし、神経痛に対してはその程度により薬剤を調整します。全身に水ぼうそうのように発疹がみられる場合(汎発性帯状疱疹)や激烈な疼痛がみられる場合には入院し、抗ウイルス剤を点滴することがあります。眼周囲の帯状疱疹(三叉神経第1枝領域)では眼にも炎症を起こしやすく視力障害を起こすことがあり、頬部、下顎から肩にかけて(三叉神経第3枝領域から第3頚髄神経領域)の帯状疱疹では顔面神経麻痺、味覚障害、内耳障害を伴うラムゼイ-ハント症候群に注意しなければなりません。そのため、顔面の帯状疱疹では眼科、耳鼻科の診察を受けていただくことがあります。
じんましん(蕁麻疹)
かゆみを伴う皮膚のもりあがり(膨疹)を生じる病気で突然出現し、数時間で出たり、引っ込んだりします。主に皮膚に症状が出現しますが、粘膜に現れることもあります。胃腸の粘膜に現れると腹痛や下痢、のどの粘膜に現れると咳が出たり、息苦しくなったりします。特定できるものとして一番多いのは食物で、青魚、魚介類が多く、たけのこなどあくが強いもの、卵、そば、豚肉、酒類、食品添加物などでも出現します。そのほか、寒さや日光、熱などで発症したり、引っ掻くことでできることもあります。ストレスも誘因になりえます。しかし、実際には蕁麻疹の原因が特定できない例が大部分を占めます。治療は抗アレルギー剤の内服が基本となります。
水虫・たむし(白癬)
白癬は皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌(カビ)の感染によって起こる病気です。足に感染したものは水虫(足白癬)、股に感染したものはインキンタムシ(股白癬)、股以外の体に生じた白癬はゼニタムシ(体白癬)、髪の毛に感染したものはシラクモ(頭部白癬)などと呼びます。
当院では足白癬、爪白癬、股部白癬…の順に多くみられます。顕微鏡検査で糸状菌を検出して確定診断します。皮膚科受診される前に抗真菌剤を外用されていると糸状菌を検出できず、確定診断ができない場合がありますので、何も塗らずに受診されることをお勧めします。治療は抗真菌剤の外用にて行います。爪白癬では肝機能障害などの副作用に注意して抗真菌剤の内服を考慮します。
にきび(尋常性痤瘡)
思春期の男女の顔、胸、背中に好発してみられる毛包脂腺系の慢性炎症性疾患で、軽度のものであれば一種の生理的変化であるといわれるほどしばしばみられます。皮脂の分泌が多く、毛穴が詰まることで面疱(毛穴の出口が硬くなり、中に脂のかすがたまってできるブツブツ)ができます。面疱の中は常在菌でもあるアクネ菌が増殖しやすい状態で炎症を惹起しやすく、アクネ菌の増殖に伴い赤い小丘疹、その後に膿をもち(膿疱)へ進展します。さらに炎症が深部へ進行すると、嚢腫、結節となり、治癒後に瘢痕を残してしまいます。治療はビタミンB2、B6、Cの内服、抗生剤の内服や外用、アダパレンの外用などを患者さんの皮膚症状に合わせて選択します。
とびひ(伝染性膿痂疹)
湿疹や虫さされや転んでできた傷を引っ掻いて、表皮ブドウ球菌や溶連菌などが原因菌となって広がっていきます。鼻周囲にはさまざまな細菌が常在しており、子どもの鼻いじりの癖があると、鼻周囲からとびひが生じることがあります。とびひになった部分を触れた手で別の部位を引っ掻いたりするとその部位もとびひになってしまいます。抗生剤の内服、外用による治療を行います。
以上、当院皮膚科で多くみられる疾患について解説しました。 それ以外でも、夏になると虫刺症や毒蛾皮膚炎などの動物性疾患が急増します。 また、角化性皮膚疾患であるタコ(胼胝腫)やウオノメ(鶏眼)はメス刃を用いて削る処置を行っています。 自費になりますが男性型脱毛症の治療も行っています。
医師名 | 専門 |
皮膚科部長 新井 真悟 |